天皇がくつろぐ居間と湯船。
居間の一段高くしたスペースは
天皇しか座れない場所だそうです。
当時は源泉をポンプで汲み上げることが
出来なかったため、浴槽を低い位置に
しているんだと、とても流暢な関西なまりで
ガイドのおじさんが言ってました。
そのガイドさんが突然こんなことを言う。
「 この湯釜に彫られている像は 正面から見て
左は大国主命で右は少彦名です。
(オオクニヌシとスクナヒコナ)
2人が「国作り」のために全国を回っている時
道後温泉に立ち寄り、 疲れを癒したそうです」
何を言ってんの、このおじさん!と思った。
確かに 大国主命と少彦名命は「国作り」
と言う大偉業に奔走した歴史的な
タッグチームだがそれは「出雲の国作り」
の話で、全国制覇とは違うでしょう。
このふたりが日本を作ったなんて
聞いたことがない。
神話に出てくる国譲りの物語と言うのは
出雲と言う国を 高天原にいる天照大神の
孫である瓊瓊杵尊に譲ると言うお話だ。
ガイドさんの話だと出雲と言う国が
当時の日本の別名であるかのようで
その日本をまるごと譲ったと
言うことになりはしないか。
そんな話聞いたことない。
だって日本を統一したのは
初代天皇の神武だと学校で習ったし。
「 このふたり道後温泉にきたんですか?」
「はい。」
何の衒いもなく彼はひと言そういった。
なんか全然知らない古代史が 四国にはある。
しかも天皇家と国を奪われた大国主は
敵対しているはずでは無いのか?
なのに天皇がまったりするお風呂に
大国主の像があっていいのか?
面白い!
一般人が知らない歴史の裏側が
きっとあるんだね。